就労継続支援事業では、通常の事業所で雇用されることが困難な障がい者さんに就労の機会を提供するとともに、A型では最低賃金以上の賃金B型では工賃をそれぞれ支給することになります。

※あくまでも、下記は本ページ作成時点でのものとなります。また、すべての行政機関で該当するものではありませんので、具体的な基準内容については事前に申請先行政機関へお問い合わせください。

就労継続支援A型・B型事業共通事項

工賃(賃金)とは?

就労継続支援事業のA型やB型での生産活動に対して、利用者さんに支払う対価については「賃金」と「工賃」がありますが、下記のとおり明確な違いがあります。

就労継続支援事業A型を実施する場合には、利用者さんと雇用契約を締結することとされていますので、この場合、利用者さんには労働基準法に基づく「賃金」を支払うことになります。

また、雇用契約に基づかない利用者に対しては「工賃」を支払うことされています。

就労支援を通じて生産活動を行った労力に対する対価のことを「工賃」と呼んでいます。

就労継続支援B型事業所での生産活動は、雇用契約に基づくものではないため、利用者さんには「賃金」ではなく「工賃」として支払うこととなります。

なお、工賃(賃金)とは、工賃、賃金、給与、手当、賞与その他名称を問わず、事業者が利用者さんに支払うすべてのものをいいます。

支払うべき工賃(賃金)について

工賃(賃金)は、原則として、生産活動に係る事業の収入から生産活動に係る事業に必要な経費(利用者さんに支払う工賃(賃金)は除きます。)を控除した額に相当する金額を支払うことになっています。

就労継続支援A型事業の賃金及び工賃の支払い等について(指定基準第192条)

就労継続支援A型事業所では、利用者さんと雇用契約を結びます、利用者さんには労働基準法が適用され、法令に基づいた最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。

また、法律に基づいて、雇用保険社会保険等も適用されることになります。

利用者に支払う賃金について

就労継続支援A型事業者が支払う賃金の総額は、生産活動に係る事業の収入から生産活動に係る事業に必要な経費を控除した金額が、利用者さんに支払う賃金の総額以上の額としなければなりません。

賃金総額 ≦ 生産活動からの収入 - 経費

各々の賃金については、雇用契約書記載の最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。

なお、雇用契約を締結していない利用者さんに対しては、就労継続支援B型と同様の「工賃」を支払うことになります。

また、生産活動に係る事業の収入以外の費用(訓練等給付費等)を工賃(賃金)の支払いに充てることは認められていません。

大阪府の平均工賃(令和元年度)は下記のとおりとなっています。

月額の実績 : 82,097円
時間額の実績:  1,079円

就業規則の作成について

法律上、常時10人以上の従業員を雇用する事業場を有している場合、就業規則を作成し、労働基準監督署に届出をしなければなりません。

上記のとおり、就労継続支援A型事業所では利用者さんと雇用契約を結びますので、利用者さんも従業員と同様「労働者」として扱われることになります。

よって、従業員だけでは10人に満たない場合でも、従業員と利用者を合わせて10人以上となれば、就業規則の作成・届出が必要となります。

就業規則は、事業場全体で一つの就業規則を作成することで足りますが、従業員と利用者さんとで同一の内容の就業規則を適用するのは難しいと思います。

ですから、従業員用とは別に利用者さんようの就業規則を作成することが望ましいでしょう。

また、利用者さんへの賃金支払いに関する規程(賃金規程)も作成しておく必要があります。  

就労継続支援B型事業の工賃の支払い等について(指定基準第201条)

就労継続支援B型事業所では、雇用契約を締結することが困難な障がい者に対して、適切な支援をすることにより、就労の機会を与え、その就労の対価として工賃をお支払いすることになります。

特にB型では、平均工賃月額が高いほど基本報酬が高くなりますので、工賃の向上に向けた取組みが重要となります。(令和3年度の報酬改定で高工賃事業所が更に評価される仕組みとなっています。)

利用者に支払う賃金について

就労継続支援B型事業所では、利用者さんに生産活動に係る事業収入から必要な経費を控除した額に相当する金額を工賃を支払わなければならないとしています。

工賃総額 = 生産活動からの収入 - 経費

基本的には、上記工賃総額を生産に加わった人数で除した額が、1人当たりの工賃となります。

実際には、時給制や日給制をとっている事業所もあります。

しかし、この場合、生産活動に係る事業の収支が赤字になっている場合には、生産活動以外の資金を流用していることになり、指定基準を満たさないことになりますので、工賃の算出方法や金額の見直しが必要となります。

一月当たりの平均工賃について

なお、各利用者さんに支払う工賃の一月当たりの工賃の平均額は、3,000円を下回ってはならないことになっています。

なお、大阪府の平均工賃(令和2年度)は下記のとおりです。

月額の実績 : 12,688円
時間額の実績:    206円

就労継続支援B型事業所は、現在、3年ごとに「工賃工場計画」を作成し、工賃向上に向けた取組みを行うことになっています。

利用者への通知について

就労継続支援B型において、平均賃の目標水準を設定し、前年度に利用者に対して支払われた工賃の平均額を利用者さんに対して通知しなければなりません。

そして、これらを都道府県に報告する必要があります。

工賃規定について

就労継続支援B型事業所では、利用者さんへの工賃支払に関する規程(工賃規程)を作成しておく必要があります。

工賃は、利用者さんにとって生活の糧になるものですので、工賃規程をしっかり作成して工賃の計算根拠を明確にしておくことにより、予期せぬトラブルを防ぐことができるのです。

就労継続支援(A型・B型)事業の開設をご検討の方へ

就労継続支援(A型・B型)事業の開設にあたっては、事業計画の策定、物件の選定、人員の確保運営に必要なものの手配等、多くの作業が発生します。

指定申請に必要な書類も多く、なかなか手続き前に進まない事業所様も多くいらっしゃるようです。

また、運営にあたっては、障害者総合支援法や厚生労働省からの解釈通知の趣旨や内容を正確に理解しておく必要があります。

幣事務所では、就労継続支援A型・B型事業所の開設希望の事業所様のための開設・運営のサポートを行っております。

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