障がい福祉サービスの報酬は「単位」という形で決まっています。1単位は10円で計算され、市町村ごとに設定されている「地域区分」に該当する加算率を乗じることにより、人件費の地域差を調整した算定されます。
共同生活援助(介護サービス包括型)の報酬の算定(基本報酬、主な加算・減算)についての概要をまとめてみましたので、参考にしてください。(令和6年度報酬改定時のもの)
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共同生活援助(障がい者グループホーム)の基本報酬(共同生活サービス費)
共同生活援助の基本報酬は、入居されている方の障害支援区分(必要とされる標準的な支援の度合いを示す指標)により報酬単価が設定されています。
区 分 | 障害支援区分 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ)/(Ⅱ) | 区分6 | 600単位 / 717単位 |
区分5 | 456単位 / 569単位 | |
区分4 | 372単位 / 481単位 | |
区分3 | 297単位 / 410単位 | |
区分2 | 188単位 / 290単位 | |
区分1以下 | 171単位 / 273単位 |
なお、サービス費(Ⅱ)は、体験利用の場合の報酬単価です。
共同生活援助(障がい者グループホーム)の加算の種類
人員配置体制加算
基準上必要な世話人・生活支援員に加えて手厚い人員配置体制をとっている場合に、指定権者に届出ることにより加算を算定できます。
区 分 | 障害支援区分 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ)/(Ⅱ) | 区分4以上 | 83単位 / 33単位 |
区分3以下 | 77単位 / 31単位 |
なお、(Ⅰ)は指定基準上置くべき世話人及び生活支援員に加えて、特定従業者数換算方法で12:1(利用者12人に対し1人)の割合で配置した場合、(Ⅱ)は30:1(利用者30人に対し1人)で配置した場合に算定できる単位数となっています。
夜間支援等体制加算
夜間の連絡・支援体制が確保されている場合、加算されます。
区 分 | 要 件 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ) | 夜勤を行う夜間支援従事者を、夜間及び深夜の時間帯を通じて必要な支援をしている場合 | 夜間支援対象者の数および障害支援区分に応じ、1日につき所定単位数を加算 |
(Ⅱ) | 宿直を行う夜間支援従事者を配置し、深夜及び夜間の時間帯を通じて必要な支援を行っている場合 | 夜間支援対象利用者の数に応じ、1日につき所定単位数を加算 |
(Ⅲ) | 夜間及び深夜の時間帯を通じて、利用者の病状の急変その他の緊急の事態が生じた時に、利用者の呼び出し等速やかに対応できるよう、常時の連絡体制又は防災体制を確保している場合 | 10単位/日 |
福祉専門職員配置等加算
良質な人材の確保とサービスの質の確保の向上を図る観点から、以下の条件に応じて加算できます。
区 分 | 要 件 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ) | 常勤の世話人・生活支援員のうち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士又は公認心理士の資格保有者が35%以上雇用されている。 | 10単位/日 |
(Ⅱ) | 上記の資格保有者が25%以上雇用されている。 | 7単位/日 |
(Ⅲ) | 世話人・生活支援員のうち、常勤職員が75%以上又は勤続3年以上の常勤職員が30%以上 | 6単位/日 |
看護職員配置加算
次の要件を満たし、指定権者に届け出た事業所に対し、70単位/日加算されます。
①指定基準に定める員数の従業者に加え、常勤の看護職員を配置している。
②前年度平均利用者数を20で除した数以上の看護師を配置している。
③利用者の日常的な健康管理等を実施している。
医療連携体制加算
医療機関との連携により、看護職員が事業所を訪問して利用者に対して看護を行った場合や介護職員に痰吸引等に係る指導を行った場合等に加算されます。
区 分 | 要 件 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ) | 看護職員が事業所を訪問して利用者(8人を限度)に対して看護を行った場合(1時間未満) | 32単位/日 |
(Ⅱ) | 看護職員が事業所を訪問して利用者(8人を限度)に対して看護を行った場合(1時間以上2時間未満) | 63単位/日 |
(Ⅲ) | 看護職員が事業所を訪問して利用者(8人を限度)に対して看護を行った場合(2時間以上) | 10単位/日 |
(Ⅳ) | 看護職員が事業所を訪問して医療的ケアを必要とする利用者に対して看護を行った場合 ①利用者1人 ②利用者2人 ③利用者3人以上8人以下 | ①800単位/日 ②500単位/日 ③400単位/日 |
(Ⅴ) | 看護職員が介護職員等に喀痰吸引等に係る指導のみを行った場合 | 500単位/日 |
(Ⅵ) | 研修を受けた介護職員等が喀痰吸引等を実施した場合 | 100単位/日 |
(Ⅶ) | 日常的な健康管理、医療ニーズへの適切な対応がとれる等の体制を整備している事業所の場合(届出要) | 39単位/日 |
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算
視覚・聴覚・言語機能に重度の障がいがある利用者が一定数以上であって、意思疎通に関し専門性を有する職員が一定数以上配置されている場合に加算を算定できます。
区 分 | 要 件 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ) | 視覚・聴覚言語障がい者割合が50%以上、専門職員配置1:40の場合 | 51単位/日 |
(Ⅱ) | 視覚・聴覚言語障がい者割合が30%以上、専門職員配置1:50の場合 | 41単位/日 |
重度障害者支援体制加算
障害支援区分6であって、重度心身障害者等重度障害者等包括支援の対象となる方又は障害支援区分4以上の強度行動障害を有する方が利用している場合であって、指定基準に定める人員基準に加えて生活支援員等を加配するとともに、一定のサービス管理責任者又は生活支援員が一定の研修(強度行動障害支援者養成研修等)を修了している場合に、指定権者に届け出ることで、加算を算定できます。
区 分 | 要 件 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ) | 生活支援員の20%以上が、強度行動障害支援者養成研修の基礎研修修了者である事業所において、実践研修修了者作成の支援計画シート等に基づき、強度行動障害を有する利用者(区分6かつ行動関連項目10点以上)に対して個別支援を行った場合 | 360単位/日 |
(Ⅱ) | 生活支援員の20%以上が、強度行動障害支援者養成研修の基礎研修修了者である事業所において、実践研修修了者作成の支援計画シート等に基づき、強度行動障害を有する利用者(区分4以上かつ行動関連項目10点以上)に対して個別支援を行った場合 | 180単位/日 |
個別支援を開始した日から180日以内は、(Ⅰ)の場合で+500単位/日、(Ⅱ)の場合で+400単位/日となります。
医療的ケア対応支援体制加算
看護職員を加配している事業所において、医療的ケアが必要な方に対してサービス提供を行った場合に、1日あたり120単位を加算できます。
強度行動障害者地域移行特別体制加算
障害者支援施設に1年以上入院していた精神障がい者に対して、地域で生活するために必要な相談援助や個別支援等を、強度行動障害支援者養成研修修了者等が実施した場合に、1日あたり300単位を加算できます。
強度行動障害者体験利用加算
一定の研修(強度行動障害支援者養成研修等)を修了した者を配置しているとして指定権者に届けている事業所において、強度高度障がいを有する方に対し体験利用を実施した場合、1日あたり400単位を加算できます。
高次脳機能障害者支援体制加算
高次脳機能障がいを有する利用者が一定数以上であって、専門性を有する職員(高次脳機能障害支援者養成研修修了者等)が配置されている場合に、1日あたり41単位を加算できます。
自立生活支援加算
居宅における単身等での生活を本人が希望し、かつ、可能と見込まれる利用者の退去に向け、一人暮らし等に向けた支援を行った場合に加算を算定できます。
区 分 | 要 件 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ) | 個別支援計画を見直し、一人暮らし等に向けた支援の実施した場合 | 1,000単位/月 |
(Ⅱ) | 退去後の居住の場の確保、在宅サービスの連絡調整等の実施した場合(日中サービス支援型のみ) ※入居中2回、退去後1回を限度 | 500単位/回 |
(Ⅲ) | 移行支援住居を有すること等、一定の要件を満たす事業所の場合 ①利用期間が3年以上の場合 ②利用期間が3年を超えて4年以上の場合 ③利用期間が4年以上5年未満の場合 ④利用期間が5年以上の場合 | ①80単位/日 ②72単位/日 ③56単位/日 ④40単位/日 |
退去後共同生活援助サービス費
共同生活援助サービス事業所を退所した利用者(自立生活支援加算(Ⅰ)又は(Ⅲ)を算定していたものに限る)に対し、利用者の居宅を訪問して支援を行った場合に、退去日の属する月から3月以内(引き続き支援をすることが必要と認め利用者に対しては6月以内)に限り、月1月あたり2,000単位を加算できます。
ピアサポート実施加算
次の要件のいずれにも該当する事業所において、障がい者又は障がい者であった従業者であって、障害者ピアサポート研修修了者であるものが、利用者に対してその経験に基づき相談援助を行った場合に、1月あたり100単位を加算できます。
①自立生活支援加算(Ⅲ)を算定していること
②障害者ピアサポート養成研修修了者を2名以上(2名以上のうち1名以上は障がい者又は障がい者であった従業者であること)配置していること。
③②の従業者のいずれかにより、他の従業者に対し、「障がい者に対する配慮等に関する研修」が年1回以上行われていること。
退去後ピアサポート実施加算
次の要件のいずれにも該当する事業所において、障がい者又は障がい者であった従業者であって、障害者ピアサポート研修修了者であるものが、利用者に対して、その経験に基づき相談援助を行った場合に、1月あたり100単位を加算できます。
①退去後共同生活援助サービス費を算定していること。
②障害者ピアサポート養成研修修了者を2名以上(2名以上のうち1名以上は障がい者又は障がい者であった従業者であること)配置していること。
③②の従業者のいずれかにより、他の従業者に対し、「障がい者に対する配慮等に関する研修」が年1回以上行われていること。
日中支援加算
65歳以上又は障害支援区分4以上の障がい者であって、日中を共同生活住居の外で過ごすことが困難な利用者に対して必要な支援を行った場合、1日あたり539単位を加算できます(対象利用者が2人以上の場合は270単位(一人あたり))。
集中的支援加算
強度行動障害を有する障がい者の状態が悪化した場合に、集中的な支援を行った場合に所定の単位を加算できます。
区 分 | 要 件 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ) | 広域的支援人材が事業所等を訪問し、集中的な支援を行った場合(3月以内に限り4回を限度) | 1,000単位/回 |
(Ⅱ) | 集中的な支援が必要な利用者を他の事業所等から受け入れ、集中的な支援を行った場合(3月以内の期間、1日につき所定単位数を加算) | 500単位/日 |
入院時支援特別加算
病院又は診療所を訪問し、入院期間中の被服等の準備や利用者の相談支援など、日常生活が可能となるよう、病院又は診療所との連絡調整を行った場合に月1回を限度に下記単位数を加算できます。
・入院期間が3日以上7日未満の場合 561単位/回
・入院期間が7日以上の場合 1,122単位/回
長期入院時支援特別加算
病院又は診療所を概ね週に1回以上訪問し、入院期間中の被服等の準備や利用者の相談支援など、日常生活上の支援を行うとともに、退院後の円滑な生活移行が可能となるよう、病院又は診療所との連絡調整を行った場合に入院初月から3月を限度に下記単位数を加算できます。
・入院期間が3日以上の場合 122単位/日
帰宅時支援加算
利用者の帰省に伴う家族等との連絡調整や交通手段の確保等の支援を行った場合に、月1回を限度に下記単位数を加算できます。
・帰宅期間が3日以上7日未満の場合 187単位/回
・帰宅期間が7日以上の場合 374単位/回
長期帰宅時支援加算
利用者の帰省に伴う家族等との連絡調整や交通手段の確保等の支援を行った場合に、3月を限度に下記単位数を加算できます。
・帰宅期間が3日以上の場合 40単位/日
地域生活移行個別支援加算
医療観察法に基づく通院医療の利用者、刑務所出所者等に対して、地域で生活するために必要な相談援助や個別支援等を行った場合に、1日あたり670単位を加算できます。
通勤者生活支援加算
一般の事業所で就労する利用者が50%以上を占める事業所において、利用者の自活に向けた支援の質の向上を図るため、主に日中において、職場での対人関係の調整や相談、助言、金銭管理の指導等、日常生活上の支援を行っている場合に、1日あたり18単位を加算できます。
障害者支援施設等感染者対策向上加算
感染症発生時における施設内感染防止のため、平時から一定の体制を構築している場合に、加算を算定できます。
区 分 | 要 件 | 報酬単位 |
---|---|---|
(Ⅰ) | 以下の機関と連携して、必要な体制を整備している場合 ①第二種協定指定医療機関 ②協力医療機関等 ③診療報酬上の感染対策向上加算又は外来感染対策向上加算の届出を行った医療機関 | 10単位/月 |
(Ⅱ) | 感染対策向上加算の届出を行った医療機関から3年に1回以上の実施指導を受けている場合 | 5単位/月 |
新興感染症等施設療養加算
新興感染症等の発生時に、相談対応、診療、入院調整等を行う医療機関を確保している施設において、適切な感染症対策を行ったうえで、施設内療養を行った場合、1日当たり240単位を算定できます。
共同生活援助(障がい者グループホーム)の減算の種類
サービス管理責任者欠如減算
サービス管理責任者が欠如した場合、欠如した月の翌々月から欠如が解消されるに至った月までの間、所定単位数から下記のとおり減算されます。
・減算適用1月目から4月目まで 所定単位数の70%で算定
・減算適用5月目以降 所定単位数の50%で算定
個別支援計画未作成減算
個別支援計画が作成されずにサービス提供が行われていた場合、当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月までの間、所定単位数から下記のとおり減算されます。
・減算適用1月目から2月目まで 所定単位数の70%で算定
・減算適用3月目以降 所定単位数の50%で算定
サービス提供職員欠如減算
指定基準に定める人員基準を満たしていない場合、1割を超えて欠如した場合にはその翌月から、1割の範囲内で欠如した場合にはその翌々月から人員欠如が解消されるに至った月までの間、所定単位数から下記のとおり減算されます。
・減算適用1月目から2月目まで 所定単位数の70%で算定
・減算適用3月目以降 所定単位数の50%で算定
大規模住居等減算
共同生活住居の規模が一定以上の場合、所定単位数から下記の通り減算されます。
・入居定員が8人以上の場合 所定単位数の95%で算定
・入居定員が21人以上の場合 所定単位数の93%で算定
・一体的な運営が行われている共同生活住居の入居定員の合計数が21人以上 所定単位数の95%を算定
一体的な運営とは、同一敷地内又は近接的な位置関係(道路を挟んで向かいにある等)にあり、かつ、世話人又は生活支援員の勤務体制がそれぞれの共同生活住居の間で明確に区分されていない場合をいいます。
情報公表未報告減算
情報公表制度に基づく報告が未実施であることが運営指導や指定更新時等に発覚した場合に、未報告の時点に遡って、当該月の翌月から状況が解消されるまでの間、所定単位数の10%が減算されます。
業務継続計画未策定減算
以下の基準に適応していない場合、所定単位数の3%が減算されます。
・感染症や非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するため、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定すること。
・当該業務継続計画に従い必要な措置を講じること。
身体拘束未実施減算
以下の身体拘束適正化措置を未実施の事業所に対し、、所定単位数の10%が減算されます。
・やむを得ず身体拘束等を行う場合、その態様及び時間、利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録すること。
・身体拘束適正化検討委員会を定期的に開催(少なくとも年1回)し、その結果について従業者に周知徹底を図ること。
・身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
・従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施(新規採用時及び定期に年1回以上)すること。
虐待防止措置未実施減算
以下の虐待防止措置を未実施の事業所に対し、、所定単位数の1%が減算されます。
・虐待防止委員会を定期的に開催(少なくとも年1回)し、その結果について従業者に周知徹底を図ること。
・従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施(新規採用時及び定期に年1回以上)すること。
・上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと。
福祉・介護職員処遇改善加算
世話人や生活支援員等の賃金改善等に充てるため、一定の基準に適合する取り組みを実施している事業所に対し、福祉・介護職員処遇改善加算が給付されます。
区 分 | 要 件 | 加算率 |
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(Ⅰ) | 加算(Ⅱ)の要件に加え、次を満たすこと。 ・技能経験のある福祉・介護職員を事業所内で一定割合以上配置していること。 | 所定単位数の14.7% |
(Ⅱ) | 加算(Ⅲ)の要件に加え、次を満たすこと。 ・改善後の賃金年額440万円以上が1人以上 ・職場環境要件のさらなる改善、見える化を実施 | 所定単位数の14.4% |
(Ⅲ) | 加算(Ⅳ)の要件に加え、次を満たすこと。 ・資格や勤続年数等に応じた昇給の仕組みを整備していること。 | 所定単位数の12.8% |
(Ⅳ) | ・本加算の1/2以上を月額賃金の改善に充てていること ・職場環境の改善を実施していること。 ・賃金体系等の整備や研修を実施していること。 | 所定単位数の10.5% |